IMAP (Internet Message Access Protocol) は、サーバーに届いた電子メールにアクセスするための方法です。従来は POP3 と呼ばれる方法で電子メールを扱っていましたが、POP3だと見たいメールは自分のコンピュータに一旦ダウンロードしなければ見れません。また、ダウンロードするとメールがサーバーから削除されるので再度見るためには、ダウンロードしたコンピュータでしか見れないなどのデメリットがありました。IMAP だとメールは常にサーバー上にあり、メールを確認するためにダウンロードする必要がありません。また、別のコンピュータからでも再度メールが読めるという長所があります。
2.mboxとmeldir
いままでの電子メールは mbox と呼ばれる保存形式で保存されていました。これは、ユーザーに届いたすべてのメールを1つのファイルにまとめて管理するもので、ファイルが分散せず、電子メールの流通量が現在ほど多くなかった昔には重宝されていました。ところが、電子メールの量が多くなった今、mbox 形式だと1つのメールを読むのにわざわざ大きなファイルを開かなければならないことや、受信者が1つのメールを読んでいる最中に新たなメールが来ても書き込みができなかったり、ファイルシステムの不具合でメールファイルが破損した時にすべてのメールを失ってしまうなど、デメリットがありました。
そこで、一ユーザーに対して一つのディレクトリを割り当て、メールは1通につき1ファイルとした保存形式が考えられました。これが Maildir で、Qmail が最初の実装だったので Qmail 形式とも呼ばれます。
Maildir 形式を使えば、サーバーにいくら電子メールを蓄えても、メール1通の読み取りや検索に時間も取られないですし、万が一ファイルが破損しても該当するメール以外のメールは無事なので、電子メールをすべてサーバーに保存しようという IMAP の理念に合っています。
Maildirディレクトの作成 各ユーザーへの メール配信はMaildir形式で行われます。 つまり、各ユーザのホームディレクトにメールを保存するためのディレクトリを作成する 必要があります。 ・maildirmakeコマンドによりMaildirディレクトリを作成 [root@]# maildirmake ~/Maildir/ 上記コマンドでユーザ追加たびにMaildirディレクトリを作成するのは面倒ですよね^^ /etc/skelディレクトリ内にMaildirディレクトリを作成しておくとユーザを追加する際 ホームディレクトに自動的にMaildirディレクトリが作成されます。 ・/etc/skelディレクトリにMaildirディレクトリを作成 [root@]# maildirmake /etc/skel/Maildir/ Maildirディレクトリ配下に"cur/ new/ tmp/"の3つのディレクトリが作成されるはずです。 以上の設定でMaildirディレクトリの作成は完了です。
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